ダイエットの目標はBMI22とは限らないの要約

BMI=体格指数

身長に対しての相対的な体重。一般的にBMI22が健康における理想体重と学んできた。

では、その理想がどこからきているかを示した研究がある。その研究の対象は30から59歳日本人約5000人。対象をBMI別に健診で異常値が出た検査数の平均値を求めている。その結果を見ると22が最も低く、ここから理想体重がきていることが少ないと。

ただし、この健診項目は肺疾患、心疾患、上部消化器疾患、高血圧、腎疾患、肝疾患、脂質異常症高尿酸血症、糖尿病、貧血の10項目でメタボに関連したものが多い。

 

・長生きしやすいBMIは22とは限らない

男女2万人ずつを対象に、10年間にわたって死亡の状況を調べた研究紹介。BMIとその後10年間の死亡率が調べられている。死亡率はBMI23〜24.9の群に対しての相対危険として表されている。死亡率に関する、年齢、喫煙・飲酒習慣、運動習慣などは統計学的に取り除いてある。

結果は女性では、BMI19以上から25未満にほぼ違いはない。BMI14から18.9の痩せ、BMI30以上が約2倍の相対危険になっていた。

「男性はBMI23〜24.9の群よりも、理想体重のBMI22を含むBMI21〜22.9の群の方が1.33倍相対危険が高い」という結果であった。さらには21未満になると1.57倍、18.9を超えると2.26倍という最も高い数値であぅた。逆に肥満といわれる25を超えても高度肥満といわれる30を超えなければ2倍近くまで跳ね上がることはない。

ここから言えることは、メタボに関連した疾患の有無はさておき、長生きしたい男性はBMI22より少し重いくらいの体重の方がその可能性は高くなり、女性よりも男性の方が体重管理は注意した方が良い。

 

年齢とBMI

引用は韓国の研究。

対象 30から95歳の韓国人約121万人

内容 対象のBMIと、その後の12年間の死亡率を調べ、49歳まで、50歳〜64歳、65歳以上の3つの群に分けて結果を示した。

結果 男性女性とも50歳未満はBMI28のあたりから死亡率が上昇

65歳以上になると男性はBMI30近くで上昇を見せるが、50歳未満の半分程度。女性に至ってはほぼ変化なし。

まとめ 高齢になるほど、肥満が死亡率に及ぼす影響は減る。

 

引用は日本の研究

対象 日本人65歳から79歳、約2万7千人

内容 対象を11年間追跡。BMI20〜22.9だった群に対しての死亡率を調べた。

結果 BMI22.9以上の群では死亡率は下がらず、20を下回る群では上がるという結果。

まとめ 高齢者では肥満よりも、痩せの方が死亡率が高まる危険性がある。

 

理想はあくまで理想。研究はあくまで研究。フレイル予防事業で出会ったBM18.5未満の人は、多くの人が元気そうではあった。その人たちに、長生きするために太りましょうなんていう単純な図式で成り立たない。書籍の結論にあるように体重変化だけに一喜一憂するのではなく、食生活を含めた幅広い健康管理を忘れずにといったところだろ。人付き合いが嫌いじゃない人は、人付き合いも忘れずに。

 

出典 佐々木敏の栄養データはこう読む第2版